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相続財産に借金がある場合~相続放棄と限定承認の違い~

相続財産を調査していると、自宅のローンが多く残っていること、額面の大きい債務が見つかること、亡くなられた被相続人が多重債務状態であることが発覚することなどが多々あります。相続というのは、基本的にはプラスの財産もマイナスの財産も全てを受け継ぐことですから、マイナスの財産だけ相続せずにプラスの財産だけ相続するということはできません。しかし、法律上このような場合への対処法が2つ用意されています。相続放棄と限定承認です。

 

まず、相続放棄(民法938条〜)とは、文字通り相続を一切放棄することです。相続放棄は、相続の開始があると知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述をすれば認められ、相続放棄をした者ははじめから相続人でなかったものとなります。また、相続放棄によって相続順位が下の者が繰り上がります。

 

相続放棄は、借金がある場合だけではなく、共同相続人の1人に相続財産を集中的に相続させるためにも用いられることがある方法です。

 

一方、限定承認(民法922条)は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済するという留保をつけて、相続の効果の発生を認めるものです。これも、相続開始があると知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述して行います。少し難しいので具体例で説明すると、被相続人には、債務が1億円ある一方、価額約5000万円の自宅があるというとき、1億円も払えないが自宅に住み続けたいという場合には限定承認を利用することで、5000万円の限度で債務を相続し、その代わりに自宅も相続できるというものです。手放したくない財産があるときや、債務超過なのかどうかが微妙な場合に活用できる制度です。また、相続放棄と違い、限定承認は相続人全員で行うことが必要ですから、相続人が複数いる場合は話し合いが大切です。

 

弁護士法人ルミナス法律事務所は、埼玉県さいたま市を中心に、埼玉県や東京都にお住まいの皆様からの法律相談を承っております。企業法務のほか、相続問題、刑事事件、離婚問題など、幅広い法律問題に対応しております。初回相談は無料で、事前予約で休日・時間外も対応可能です。お悩みの方は、弁護士法人ルミナス法律事務所までお気軽にご相談ください。

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弁護士 神尾 尊礼(かみお たかひろ)

所属
埼玉弁護士会
経歴
2004年3月
東京大学法学部卒業
2004年4月
東京大学法科大学院入学
2006年3月
東京大学法科大学院卒業
2006年12月
司法試験合格・司法修習開始
2007年12月
司法修習修了・弁護士登録
2007年12月
森・濱田松本法律事務所
2009年2月
法テラス埼玉法律事務所
2012年2月
彩の街法律事務所
2019年7月
弁護士法人ルミナス法律事務所

メッセージ

弁護士12年目の経験と再挑戦

弁護士になって10年以上がたちます。
まずは大手渉外事務所に入り、比較的強い立場からの事件を担当していました(会社、地主など)。次に法テラスに行き、全く真逆の、社会的弱者と言われる立場の事件を担当してきました(労働者、賃借人など)。その後自分の事務所を立ち上げ7年間、企業法務から家事(離婚や相続等)、刑事弁護等多くの分野を担当してきました。 携わった事件類型は、弁護士の中でもバラエティの多い方ではないかと思っています。2018年ころから、社会問題となるような事件を多く担当しました。他の専門家の話を聞く中で、1人でやることの狭さ、限界を感じるようになりました。そんな折、弁護士法人ルミナス法律事務所へ参画する機会をいただきました。私自身、やることは大きくは変わりません。自分の経験や知識を少しでも還元できればと思い、弁護士12年目の再挑戦を始めました。

事務所概要

Office Overview

事務所名 弁護士法人ルミナス法律事務所
弁護士名 神尾 尊礼(かみお たかひろ)
所在地 〒330-0802 埼玉県さいたま市大宮区宮町1-86-1 大宮イーストビル5階B室
電話番号・FAX番号 TEL:048-826-5646 FAX:048-826-5647
対応時間 【平日】9:00~17:30 【定休日】土日祝